小野田商工会議所

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会頭メッセージ


 昨年度は、原材料・エネルギー価格の上昇と物価高の影響が強まる中、消費需要については回復基調を維持し、好調な設備投資のもとで日経平均株価は史上初の4万円台を記録するなど、経済活動が活発化した一年となりました。
 また、長期デフレからの完全脱却を目指す国内経済は、今まさに「停滞から成長」への転換期を迎え、重点テーマの一つである「賃上げ」についても、企業の自助努力と官民をあげた価格転嫁推進の成果が少しずつ実を結び始めています。
 しかしその裏では、収益改善を伴わないまま人手確保のための防衛的賃上げに踏み切った中小企業も多く、特に若者の人口流出、少子高齢化が進む地方では「人手不足」「コストプッシュ」の煽りを大きく受けており、事業者を取り巻く経営環境は依然として厳しい状況です。

 そのような中、商工会議所では国や県、市が推し進める経済政策を踏まえながら、「現場第一主義」のもと事業者支援と地域活性化活動に取り組んでおります。
 事業者支援においては、デジタル化による生産性向上や価格転嫁・取引価格の適正化、消費者需要の喚起、他社に負けない付加価値の創出など、事業者の「自己変革」を促し、「稼ぐ力」を身に付けることを主題に掲げています。
 また、事業者を取り巻く経営環境の“改善”に向けても、地域経済団体としての役割を改めて自覚し、時代の変化に即した適切な経済政策が実行されるよう、行政をはじめとする関係機関と一層連携を深めながら取り組んでいく所存です。

 一方、地域活性化の取り組みにおいては、当所まちづくり活動の旗印である「第二期地域活性化中期ビジョン計画」を昨年度より5ヵ年計画で始動しました。
 新体制となった「総務」、「まちづくり」、「DX推進」、「特産品づくり」、「山口東京理科大学連携」、「理系kid’s育成」の6つの委員会活動が、スローガンである“魅力溢れる強いまち”の実現に向けて力強く活動しています。
 昨年末には、新事業の一つとして「おのだクリスマス花火2024」を初開催し、市内外から2万人を超える来場者で賑わいを見せるなど、大きな反響を呼びました。引き続き、会員事業所とともに地域に魅力を生む活動を展開してまいります。

 さて、地域活性化の起爆剤としてセメント町周辺エリアの開発に取り組む「LABVプロジェクト」では、リーディング施設「Aスクエア」のオープンから一年が経過し、今後もハード面の整備が順次進んでまいります。
 本年度も、産学官金が「ALLおのだ」となって強固なスクラムを組み、協創によるまちづくりを加速させなければなりません。私たち商工会議所も、地域経済に立ちはだかる様々な「壁」に立ち向かう決意で、「信頼され、役に立ち、親しみやすい、満足される商工会議所」を目指し、本年度諸事業を実行してまいります。

令和7年4月  

小 野 田 商 工 会 議 所
会 頭   藤 田  敏 彦